【DIY】ベランダに水源を!掃除も水やりもラクにする蛇口分岐術

給湯器の水配管を分岐して蛇口を増設 DIY

ベランダ掃除のたびに、室内からバケツで水を運ぶのって、本当に面倒じゃありませんか?

私も長年そう思いながら過ごしてきました。でも植物を育て始めてから、その手間はさらに深刻に。特に夏場の水やりは毎日になるし、じょうろに水を何度も汲みに行くのが地味にストレスでした。

「ベランダに蛇口があればなぁ…」

そう思い立ったのが、今回のDIYの出発点です。

📌 この記事でわかること

  • ベランダに蛇口を増やす仕組み
  • 給湯器の水配管から分岐する方法
  • 実際に使った部品と選び方
  • 配管サイズの測り方と設計のコツ
  • 水漏れしにくい接続手順
  • 凍結・サビ・原状回復への対策

こんな人におすすめ:
「ホースがつなげる水道がベランダにあれば…」という方へ。
工事不要の恒久的な分岐方法を、初心者向けにやさしく解説します。

そこで考えたのが、ベランダに設置された給湯器の水道管に、継ぎ手を使って蛇口を増設するという方法でした。

方法はシンプルで、既存の接続部分に分岐継ぎ手を挟んで締め直すだけ。

配管を傷つけることなく、蛇口を“もうひとつ”増やせます。

しかもこれがあると、自動水やり装置の設置まで見えてくる——。

今回は、そんな試行錯誤の過程と、実際にやってみて感じた注意点などをまとめてみました。

必要な器具と仕組みの概要

今回のDIYで使った器具の主役は、「分水継ぎ手(片ナットチーズ)」と呼ばれる配管パーツです。

これは、既存の水道管の接続部に割り込ませることで、水の通り道を2方向に分けられる便利なアイテム。

今回のケースでは、ベランダに設置された給湯器の給水側配管に取り付けて、新たな蛇口を増設しました。

給湯器の水道管は「壁から出ている給水管」と「給湯器に繋がるフレキシブル配管」で接続されていることが多く、そこに分岐継ぎ手を挟み込むだけでOK。

あとはパーツ同士をしっかり締めるだけで、水が二方向に分かれる仕組みになります。

また、分岐した先に取り付ける蛇口は、ホースや自動水やり装置にも対応できるタイプを選んでおくと、後の展開がラクになります。

実際に購入したパーツと図面

ここでは、実際に使用した部品とその役割を表にまとめました。
また、取り付け全体の流れがわかるように、簡単な接続図も載せています。


部品選びでは、ネジの相性やサイズに注意が必要です。
特に「両ナットアダプタ」のように、オスネジ同士をつなぐための中間部品が必要になる点は見落とされがちです。
以下の表では、部品の用途と選定理由をまとめています。

蛇口増設の部品と組み立て図
配管の接続構成

部品名 用途・役割 選定理由・補足ポイント
片ナットチーズ 給湯器の水道管に分岐を挟み込むT字型の継手 壁側のナットと接続できる片ナット式。分岐の起点となるパーツ。
両ナットアダプタ 分岐後、蛇口を取り付けるための接続継手 チーズと蛇口の両方が「オスねじ」同士のため、間に両側がメスねじの継手が必要。
万能ホーム水栓 普通の蛇口として使用 水量調節ができ、ホースの取り付けも可能。見た目より実用性重視で選定。
自在カップリング ホースを下向きにしたいときの中間継手 万能ホーム水栓のままだとノズルが横向きになるため、角度を変えたい人向け。不要な場合も。
水栓スパナセット ナットの締め付け作業に使用 水道管の六角ナットは大きいため、普通のスパナだと高額になりがち。専用セットが安価で便利

 

※パッキン付きの継ぎ手を購入しているため、シールテープを使っていません。

配管サイズの測り方と構想の立て方

まずは既存の接続箇所を確認

ベランダの給湯器に繋がっている水道管の出口(壁から出ている部分)と、フレキシブル配管との接続部分を観察します。

この接続部のサイズが、分岐継ぎ手を選ぶうえで非常に重要です。

サイズ測定

スケールやノギスで、配管の「雄ネジの外径」を測ります。

例えば、外径が21mmであれば、それは「G1/2」などに該当する可能性があります。

迷ったときは「配管サイズ 21mm 外径」といったキーワードで検索すると、対応する規格が分かります。

サイズに合った分岐継ぎ手を選ぶ

水道管とフレキ管の間に挟む分岐継ぎ手は、ナットのサイズ・向きに合ったものを選びます。

向きやネジ規格が違うと取り付けができないため、選定ミスは致命的です。ここが一番重要なポイントと言えます。

構想を練るときのチェックポイント

  • 水道管の向きは?(横向き or 下向き)
  • 蛇口はどこに出したい?(壁沿い or 離して設置)
  • ホースや自動水やり装置と接続する予定はある?
  • 使わないときは水が止められる?(止水栓の設置を検討)

構想段階で、配管の流れ・蛇口の向き・設置位置などをイメージできていると、パーツ選びや作業全体が格段にスムーズになります。

接続作業の手順と完成イメージ

作業は「事前に組めるところまで仮組してから、最後に壁の配管と接続する」流れがスムーズです。以下の順番で進めていきます。

仮組みパート

まずは作業しやすい場所で、分岐継ぎ手・両ナット付きアダプタ・蛇口をすべて接続し、できるところまで仮組みしておきます。

  • 分岐継ぎ手の上下どちらに水道管を接続するか決めておく
  • 横口に蛇口を取り付ける
  • 接続部にはパッキンを忘れずに入れる(パッキン付きの部品を選べば安心)
  • 接続は手で締めたあと、スパナで軽く増し締めする

壁際での作業時間を短縮できるので、この時点でできる限り完成形に近づけておくとラクです。

本組みパート

仮組みができたら、実際に配管に取り付けていきます。

※事前に水道の元栓は必ず閉めてください。

  1. フレキシブル配管のナットをスパナで外し、水道管から取り外す
  2. 水道管とフレキの間に、仮組みした配管を取り付ける
  3. 各ナットをスパナでしっかり締め込んで固定する
  4. 元栓を開け、水漏れがないかチェックする
給湯器の配管に分岐継ぎ手を取り付け、蛇口を増設した様子
新しい蛇口を取り付けた完成状態

無事に取り付けられれば、蛇口が新たに1つ増設され、ベランダでの水やり・掃除が格段にラクになります。使用感と注意点

設置後、実際に使用してみた感想と、事前に知っておいた方がいい注意点をまとめます。

使用感と注意点

実際の使い心地

蛇口を増設したことで、ベランダでの水やりや掃除が格段にラクになりました。ホースを接続してそのまま散水できるため、バケツの往復が不要になり、日常的な手間が大幅に軽減されます。

水漏れの有無

施工から数週間が経過しましたが、水漏れは今のところ一度もありません。

取り付けの際には、各接続部にパッキンを確実に入れ、手で締めたあとにスパナで軽く増し締めを行いました。この手順を守れば、シールテープを使わなくても十分な密閉性が得られます。

シールテープはネジの種類によって使い分ける

この記事では、シールテープを使わない構成で蛇口を増設する方法を紹介しました。これは、使用している部品の多くが「並行ネジ(平行ネジ)」であり、パッキンで止水できるタイプだからです。

ただし、すべての水道部品にこの方法が当てはまるわけではありません。ネジの種類によって、シールテープの必要性は変わってきます。

  • 並行ネジ:ネジ山の止水力はなく、パッキンで密閉する設計になっています。この場合、シールテープは基本的に不要です。
  • テーパーネジ:ネジ山が先細りになっていて、ネジ同士のかみ合わせで止水する構造です。この場合は、隙間を埋めるためにシールテープやシール剤の使用が推奨されます。

部品を選ぶ際、見た目が似ていてもネジの設計が異なることがあるため、「この部品は並行ネジか、テーパーネジか」を事前に確認しておくと安心です。

冬場の凍結対策

屋外に設置するため、冬場の凍結には注意が必要です。とくに寒冷地では、以下のような対策を検討してください。

  • 蛇口を開けた状態でおく(配管内の水を抜く)
  • 蛇口部分に断熱材やカバーを巻く
  • 必要に応じて、蛇口のみ取り外せる構造にしておく

私の環境では冬場の最低気温が氷点下になる日は少ないため、現時点では特別な対策はしていませんが、地域によっては事前の準備が安心です。

耐久性とサビの懸念

今回使用したのは主に真鍮やステンレス製の金属部品であり、屋外使用でもある程度の耐久性は期待できます。ただし、ホースとの接続部などは雨ざらしになるため、定期的な点検はしておいた方が無難です。

原状回復の可否

この方法は、水道管と給湯器の間に分岐継ぎ手を挟み込むだけの構造であるため、必要になれば元の状態に戻すことも可能です。

分岐を外して元のフレキシブル配管を再接続すれば、目立った痕跡も残りません。賃貸住宅などでも現状回復の観点から大きな問題はないと考えています。

小さな工夫で快適性アップ

ホースの取り回しや散水時の飛び跳ねを防ぐには、ホースリールを併用すると便利です。また、ベランダの奥まで届くように、少し長めのホースを用意しておくと使い勝手がさらに良くなります。

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