高湿度&根腐れも怖くない育成環境を作った

高湿度でもカビを抑え、根腐れも防ぐ。空気を動かして作る理想の室内温室を、自作で実現したノウハウをまとめました。
この記事で分かること
- 根腐れしにくい育成環境の考え方
高湿度でも根腐れを防ぐための理論と工夫を紹介。 - IKEAルードスタで作る室内温室DIY
既製品を活用した、見た目も機能も優れた温室作り。 - カビや温度上昇を防ぐDIYの工夫
ファンや素材選びなど、快適な環境を維持するポイント。 - 実際の運用例と育成中の植物たち
どんな植物をどう育てているか、リアルな様子も公開。
【はじめに】カビを防ぎ、根腐れも抑える室内温室を作ろう
熱帯植物を育てるうえで、高湿度環境は欠かせないものです。
しかし湿度が高いと、「カビ」や「根腐れ」といったトラブルがどうしても発生しやすくなります。
僕自身、湿度管理にはずっと悩んできました。
「もっと安心して育てられる環境が作れないか?」と考えた結果、
IKEAのガラスケース「ルードスタ」を改造して、室内温室を自作することに。
同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです!
【IKEAルードスタ改造】 DIYで温室を作った理由(高湿度x空気循環という発想)

高湿度にするだけでは、植物はうまく育ちません。
根腐れやカビの原因は、「空気がよどむこと」にあります。
水耕栽培では、水に沈んだ根に酸素を供給するため、
ポンプでエアレーション(空気送り)を行うのが基本です。
この仕組みを見て、こう考えました。
濡れた土や水苔に空気を当て続ければ、根も呼吸できるはず
そしてカビも発生しにくくなるはず
そのアイデアを形にするべく、
ファンで空気を循環させる「高湿度×エアレーション」型の温室を自作してみることにしました。
【材料リスト】 準備したもの・選んだポイント
準備したものは以下です。
アイテム | 内容・ポイント |
---|---|
ガラスケース | IKEA「ルードスタ」。背面がスチールなので穴あけ可能。 全面ガラスだと難しいので注意。 |
植物LEDライト | パネルタイプを使用。パネルタイプは温度上昇があるので注意。 今後バータイプに変更予定。 |
PCファン | 静音性重視で選んだが、好みでOK。 |
USB ACアダプタ | 100円ショップで購入。ファン駆動用。 |
温湿度計 | 2個セットを購入。同じ値を出していれば正確だろうという考え。 |
ドリル | 5,000円くらいの無段階変速タイプを使用。パワーはあったほうがいい。 |
ホールソー | 32mmを使った。コンセントの太い部分が2cmくらいなので。 30~35mm推奨。 |
ブッシングゴム | 穴あけ部分の保護と気密性確保に使用。 |
マグネットフック | ワイヤーメッシュやファンの取り付け用。耐荷重を要確認。 |
ワイヤーメッシュ | 植物を掛ける用途。 |
マスキングテープ | 隙間を埋めるための目張りに使用。 |
ドア用隙間テープ | 扉の気密性を高めるために使用。 |
結露吸収テープ | ガラス面の結露対策用。 |
アルミシート | 光を反射させる。 |
延長ケーブル | 配線用。 |
コンセントタイマー | ライトの自動ON/OFF管理用。 |
【製作手順】改造スタート!失敗もありつつ乗り越えた
背面パネルに穴あけ
まず、IKEAルードスタの背面パネルに、配線用の穴をあけます。
32mmのホールソーを使用して作業しました。(養生テープで傷防止!)
ここでトラブル発生。
パネルライトのケーブル途中にある四角いパーツ(たぶんドライバー)が穴を通れず…
近くのへりからノコギリで切り込みを入れて、切り込みからケーブルを通す方法に変更しました!
ブッシングゴム取り付け
あけた穴にブッシングゴムを取り付け、ケーブルの摩耗防止と気密性を高めます。
ガラスケースを組み立て
通常通り、ガラスケースを最後まで組み立てます。
隙間を埋める作業
- ドア用隙間テープで密閉性アップ。
- 細かい隙間やズレにはマスキングテープで補強。
- 窓部分には結露吸収テープを貼って、結露対策も万全に。
アルミシート貼り付け
ケース内部の背面と側面にアルミシートを貼り付けます。
光を反射させ、温度上昇を抑える効果を期待しています!
配線・機器取り付け
LEDパネルライトを取り付け、ケーブルを通して配線。
PCファンもセットし、空気循環できるように設置。
延長ケーブルとコンセントタイマーもここでまとめて接続。
ワイヤーメッシュ取り付け
最後に、マグネットフックをケース天井付け、ワイヤーメッシュを吊り下げます。
これは植物を掛けるのに便利です。
ちょっとした工夫

温室の天板には、100円ショップの冷蔵庫整理用トレー(透明度高め)を使っています。
これによって、下にも光が通りやすくなりました!
まとめ
意外なトラブルもありましたが、工夫しながらひとつひとつ乗り越え、納得のいく温室が形になりました。
【完成後の運用】温室内の環境、植物たちの様子
完成した温室内の環境は、
夜間25°C~昼間30°C、湿度は80%~70%くらいで安定しています。
ファンを常時回すことで、湿度が高くても空気が循環しており、
カビの発生や根腐れリスクはかなり抑えられていると感じます。
また、パネルライトの熱による温度上昇はありますが、
アルミシートの反射効果もあって、温度の上がりすぎは防げています。
全体的に許容範囲内で管理できており、安心して植物を育てられる環境が整いました。
設置している植物たち

現在育てている植物はこんな感じです。
- チランジア
- アリ植物
- ネペンテス
- ラン
など、湿度が高く、なおかつ空気の動きが必要な植物たちをメインに配置しています。
これらの植物たちは、温室内で順調に育成中です!
ファン・ライトの運用について
- ファンは24時間常時稼働しています。
- ライトはコンセントタイマーで14時間設定。
朝の目覚ましの時間にライトが点灯するようにしており、寝坊防止にも役立っています。
光量や湿度コントロールの手間が少なく、ほぼメンテナンスフリーで運用できているのも大きなメリットです!
【今後の改善点】バータイプライト導入・CO2添加
現在の温室運用で特に大きな問題はありませんが、改善したいポイントがいくつかあります。
ライトの発熱対策とレイアウト改善
使用しているパネルタイプの植物育成ライトは、発熱がやや気になります。
温室内の温度上昇をできるだけ抑えるため、今後はバータイプのLEDライトへの変更を検討しています。
バータイプのLEDは発熱が少ないため、より理想的な育成環境が目指せます。
ただし、バータイプにすると光量がやや減少するため、
光が必要な植物(チランジアなど)はライトに近い位置に、
耐陰性のある植物はライトから離れた位置に配置して対応する予定です
これまで使用していたパネルライトは光が非常に強く、ライト近くに植物を置けず、デッドスペースが生まれていました。
バータイプに変更することで、このデッドスペースを有効活用できるのも大きなメリットだと考えています。
CO2添加システムの導入
植物の成長促進をさらに目指し、CO2添加システムの導入も検討しています。
重曹とクエン酸を反応させてボンベ内にCO2を発生させるものです。
早朝に一度だけ弁を開放して、温室内のCO2濃度を約5,000ppmまで上昇させる仕組みを考えています。
温室サイズから計算すると、
約1.2LのCO2を添加すれば5,000ppm程度に到達する見込みです。
ただし、CO2が温室から漏れると体調不良を起こすリスクもあるため、
CO2濃度計を設置して安全管理もしっかり行う予定です。
【まとめ】カビも怖くない、快適な温室づくり!
今回は、IKEA「ルードスタ」をベースにした、室内用の小型温室の自作プロジェクトを紹介しました。
湿度80%前後の高湿度環境と、ファンによる常時空気循環を両立することで、カビや根腐れリスクを抑えつつ植物を育成する環境を実現しています。
作成途中では、ケーブルの配線などトラブルもありましたが、工夫しながら乗り越えて、
「好きな植物を好きなだけ育てられる理想の温室」が完成しました。
運用後もメンテナンスの手間はほぼかからず、温室内は常に安定した環境が維持できています。
今後はバータイプLEDへの変更や、CO2添加システムの導入など、
さらに理想に近づける改善も予定しています。
植物育成において「湿度」と「空気循環」は非常に重要なポイント。
この記事が、
「自分だけの理想的な育成環境を作りたい!」という方の
参考になれば嬉しいです!
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